競輪は競馬・競艇(ボートレース)・オートレースと並ぶ、公営競技(公営ギャンブル)です。
プロの競輪選手達が切磋琢磨し、勝利を目指して闘う姿は観る者に感動を与え、そこにお金を賭けることでさらにその熱はヒートアップして行きます。
単純に強い選手が勝つわけではなく、同じ地域の選手が手を組んだり、体力の使いどころひとつでレースの勝敗は大きく変わります。
1レースわずか3分の中に複雑な要素が絡み合った駆け引きが盛り込まれているのです。
選手は肉体と精神を高め、レースの展開を読むことで勝利を目指し、
観客は、選手の連携や個人の思惑までを推理して予想をする。
一度その面白さに気付くと、とことんのめり込んでしまう人が多く、ギャンブル好きで有名な作家阿佐田哲也氏が『ギャンブルの王様』と呼ぶ程に魅力あるスポーツですが、現在は認知度が低くとっつきにくい印象を与えてしまっているのもまた事実です。
そんなイメージを払拭してもらうために、ここではややこしい説明は極力省き、競輪を楽しみながら、少しずつ競輪の知識を身に付けていってもらえればと思います。
そこでまずは競輪の衝撃映像をお届け致します。
これは2008年2月20日、大津びわこ競輪場(2010年廃止)で開催された「エキサイティングカップ500」第11Rのレース映像です。
残り半周を過ぎたところで、2名の選手がバランスを崩し、そのまま周りを巻き込んで全員が落車してしまいました。
転んだ後は皆ゆっくりと起き上がり、自転車に乗り直してゴールを目指すのですが、あまりにもゴール近いため、とても滑稽に見えます。
しかし、これでもレースは成立し、この日は100円が324,460円にもなる大波乱のレースとなりました。
競輪をあまり良く知らない人にとっては面白可笑しい映像にも見えるかもしれませんし、それもあってこの映像をご紹介致しましたが、選手達は勝利のために必死で闘っており、あまりの激しさに落車してしまった選手は負傷することが多く、中には命を落としてしまう事例もあります。
ですので、このレースも本来は決して楽しんで観られるレースではありませんが、競輪ではこんなこともあるんだな、と少しでも興味を持つきっかけになれば幸いです。