来る2020年7月、実に76年ぶりとなる東京での夏季オリンピックが開催されます。
世界中のトップアスリート達による汗と涙の熱い闘いが私たちの住まう日本でその歴史を刻むことになるのです!!
夏季オリンピックでは33競技(2017年現在)が開催されますが、その中に日本発祥の競技がいくつかあることをご存じでしょうか?
言わずと知れた『柔道』、初採用になった『空手』などは有名ですが、実は自転車トラック競技の『ケイリン』も日本で開催されている公営競技の"競輪"が基となり、今や世界規模で盛んなスポーツとなっているのです。
では一体競輪とはどんなスポーツなのでしょうか?
ここでは公営競技の"競輪"とオリンピックの"ケイリン"を知っていただき、どちらも楽しんでいただけるような初心者講座をご用意致しました。是非とも競輪について学んでいただき、日本発祥のケイリンと共に関心を持っていただければ幸いです。
オリンピック種目でもある"ケイリン"は日本の公営競技"競輪"が基になって出来たスポーツですが、"競輪"は競馬や競艇(ボートレース)と並ぶ公営ギャンブルの一種であり、"ケイリン"は自転車競技トラックレースの種目と、根本的な違いがあります。
このことから"競輪"と"ケイリン"ではルールや楽しみ方が違ってきます。
もちろんどちらも1着にゴールした選手が勝利を掴むことになり、バンクを猛スピードで走り抜ける迫力あるレースとなることは変わりませんが、よりレースを楽しめるように、まずはカンタンな"競輪"と"ケイリン"の違いを見てみましょう。
競輪 | ケイリン | |
---|---|---|
競技人数 | 7~9人 | 5~8人 |
バンクの素材 | コンクリート | 板張り |
バンクの長さ | 333~500m | 250m |
周回数 | 4~6周(バンクの長さによる) | 8周 |
カント | 約30度 | 約45度 |
レース形態 | ライン戦 | 個人戦 |
※競輪場によって異なります。日本国内では競輪場を使用してトラックレースを行なう場合もあります。
いきなり聞きなれない単語が出てきて困惑されている方もいらっしゃるかもしれませんが、わからない単語は競輪用語集でぜひご確認ください。
競輪とケイリンの違いで最も重要なのは、レース形態の「ライン戦」と「個人戦」の部分です。
自転車競技は風の抵抗が大きく影響するスポーツで、前にいる選手程風圧を受け不利になります。
そのために、誘導員が配置され、途中までレースの先頭で選手達を引っ張っていくのですが、誘導員がいなくなってからも"競輪"では選手同士が主に地域ごとに協力しあい、ラインと呼ばれる隊列を組んで闘います。それに引き替え"ケイリン"では個人個人がお互いをけん制しつつポジション取りを行います。
このようにレース形態ひとつをとっても違った楽しみ方が出来ます。
もちろん詳しいことがわからなくても、自転車という身近な乗り物を使って激しく闘う姿は観客の目を引きますが、知識が増えることでよりレースの面白さが分かるのが競輪です。
公営競技としてギャンブル要素も兼ねた"競輪"と日本発祥のスポーツでもあり、今や世界中に愛されている"ケイリン"について、詳細もご覧いただければ幸いです。