紀州の競輪博士 岡本新吾

 35年競輪人生を終えて現役時に経験した独自の体験を生かし、選手の心理・レースの流れを読み調子状態を判断してレース予想し、ヒューマンスポーツ競輪のおもしろさをわかりやすく伝えたい競輪命の競輪博士です。
 CS・イベント・ガイダンスやってます!ファンのみなさんと和を持ってやって行きたいのでよろしくお願いします。



 新年あけましておめでとうございます。昨年は競輪ステーションをご覧の皆様に大変お世話になり本当に有難うございました。今年も全力で競輪の素晴らしさを伝えて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。


 2016年の締めくくりの年末グランプリ立川は、大歓声の中、嵐の感動を呼び、村上義弘選手(京都・73期)が42歳で劇的に優勝を飾りました。去年、京都嵐山のホテルで行なわれた村上選手のファンイベントでお話をさせてもらった時、かなり厳しい身体の状態と競輪の状況で、岸和田GⅢレースの時も疲労困憊で私も見ていて心が痛かったです。村上選手はSS班のトップ選手の自覚と責任を果たすために、競輪界と全国のファンのために、身を削り日々自分自身に鞭を打ち、気力で頑張って来ました。


 2016年ファイナルレース年末グランプリ決勝戦、レースは予想通り同郷の稲垣選手が先行態勢に入り、残り1周から上手く仕掛けて万全でした。先の競輪祭を優勝して年末グランプリ出場を決めベストナインの中で一番調子が良かった平原選手の中団捲くりを残り半周の2センター過ぎから2番手捲くりで村上選手が合わせ切りました。立川競輪場は400mバンクの中でも直線が長く、風がきつくて、バンク自体が凄く重いです。はっきり言って私はレース状況から言って平原選手の2番手を追走していた武田選手のスピードが良かったので完全に差されたと思いましたが、1/4輪抑えて村上選手の持って生まれた気迫と闘争心で1億円を捥ぎ取りました。和歌山競輪場の特別観覧席のガイダンスで思わず「ワアー」と声を出してしまいました。表彰式での村上選手のインタビューを聞いていますと胸が熱くなり、涙が溢れるばかりでした。村上選手に何度感動を与えてもらったか分かりません。村上選手の年齢が過ぎれば過ぎるほど感動が大きくなって来るように思います。


 時代、時代にNo.1の実力を持ち全盛期で競輪ファンに感動を与えられた選手は数人といました。村上選手の全盛期は何が何でも先行主体にレースをして日本一になった頃だと私は思います。戦法が自在になって近畿の絆を固めた結果、周りの若い選手達が強くなり、村上選手自身も向上をして来たのだと思います。


 今年1年間、1番車のチャンピオンシャツを着る重圧を深く感じて一戦一戦、死にもの狂いでレースをすると思います。全国のみなさん、村上選手の生きざまと勇姿をストレートに感じて応援してあげてください。私も村上選手の行き着く所がどうなるのか楽しみです。村上選手は苦しくても辛くても重圧に耐えられなくても、何とか向って行き、打破した時の喜びが競輪にあるから無我夢中になるのだと思います。本当に競輪が大好きで真の競輪人だと思います。