武田豊樹選手x村上義弘選手 独占対談企画

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カテゴリ [武田豊樹] [村上義弘]
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投稿日時 2012/04/17(火) 16:50



武田豊樹選手x村上義弘選手 独占対談企画

2012年4月16日(月)
都内某所にて競輪選手の頂点に君臨すS級S班選手、
武田豊樹選手と村上義弘選手の対談が競輪ステーションにより実現いたしました!!

今回対談を企画した競輪ステーションへの感想を始め、今後の競輪業界に関する気持ちや
お互いの選手像に関してお話いただいたものを競輪ステーションにて公開させていただきます!!



競輪ステーションについて




──競輪ステーションに参加してみた感想を聞かせてください。

村上選手:普段からファンの皆さんとの交流が多くはない中、競輪ステーションでは皆さんのいろんな声を聞けて改めて自分の競輪に対する取り組み方や考え方が、今までよりもっと濃いものになりましたし、そういった話を後輩にすると、後輩も練習への意識や打ち込み方がいい具合に変わってきて、すごく良い影響を受けています。
武田選手:ファンの皆さんと交流する機会があまりなかったので、自分にとってトレーニングの励みになりますし、もっと頑張らなければと強く感じます。
村上選手:1ヶ月配分が空いたので、合宿で鹿児島へ行くことを競輪ステーションへ書き込んだら、鹿児島の競技場へファンの方がいらしてくれて、交流することができました。これまではどうしても自分の練習のことで精一杯でほとんど対応できなかったんですが、競輪ステーションに参加するようになってからはたくさんの出会いがあり、ファンの方々との交流もできて、とても気持ち良く合宿を過ごせました。



──競輪ステーションの選手間の認知度というのはどのようなものですか?

村上選手:競輪ステーションでブログを立ち上げている人は、会話の話題にもなりますし、ブログを通じてお互いの情報交換も行っています。僕の場合は、もともとブログについてよく知らなかったので、どういうタイミングでどういう内容を書くのか、ユーザーさんからはどういうコメントが返ってくるのかという話をしています。もっとユーザーさんが喜んでくれるような内容を書くようにしようかなとか。



──競輪ステーションでは賞金ランキングだったり、競走得点が見られるようになっていたりするのですが、選手サイドから見てどう思いますか?

武田選手:自分が今どれくらい点数を持っていてどの位置にいるのかと、再確認できてポテンシャルも高まりますね。他の選手も同じように感じている方が多いと思います。
村上選手:現状で内容もしっかりしていてコンテンツも充実していますし、今お話したように自分の励みにもなるので、選手目線から見たら本当にありがたい情報ばかりで、僕としてはファンや、運営している側からの目線から見たものの方が気になりますね。



──競輪ステーショングランプリというお金を賭けずに実際の車券を買うように行うゲームがありますが、ゲームに対しての意見や、もっとゲームを利用して競輪を知って欲しいと思いますか?

武田選手:もちろん、多くの人に競輪を知って欲しいと思っています。何よりお金を賭けなくても競輪を楽しめるというのはユーザーも嬉しいと思います。



──今後、競輪ステーション主催で交流会やイベントを開催した場合、お二人に参加していただくことは可能でしょうか?

武田選手:僕さっき言おうとしたんですよ。競輪ステーションの主催で集まってくれた選手みんなで呼びかけて、ファンとの交流会が一年に1回でもあれば素敵な会になるのではないかなと思ってたんですよ。
村上選手:そうですね、選手とファンの皆さんとの距離が縮まれば、それが競輪の活性化に繋がるでしょうし、そういう機会があれば僕でよければ是非参加させていただきたいです。
武田選手:お願いします。



──今、競輪界ではたくさんの問題を抱えていると思いますが、どのようにすればより競輪界が活性化していくと考えますか?

武田選手:僕たち競輪のトップ選手が積極的にこのサイトを利用して、競輪の楽しさについて伝えていくことが一番だと思います。
村上選手:僕自身競輪選手をしていて、本当に面白いスポーツやと思いますし、ラインだったり特殊で複雑な仕組みとかを競輪ステーションで手引きしてもらって、競輪の入り口をもっと幅広くしてもらえれば、すごく楽しいスポーツだってたくさんの人へ伝わると思います。それが他の自転車競技であれ、徐々に競輪という一つの種目を知ってもらって、競輪の面白さを見てもらうことは大事でしょうし、そういう意味ではこうやって競輪ステーションというサイトを通じてたくさんの人に知ってもらえるキッカケがあることは大切なことだなと思います。
武田選手:本当にそうですね、インターネットを利用して選手のメッセージを送ってますから、競輪界全体としても協力してもらってお互いより良いものを作り上げていけたらいいなと選手として感じます。



──お二人が競輪を知った頃と選手として活躍している今とでは何か違いはありますか?

武田選手:僕はデビューが遅い方なので、まだ分からないですね。
村上選手:それはどういう目線ですか?競輪の内容とかですか?
武田選手:売り上げが減ってお客さん離れってことですかね?
村上選手:そうですね、僕が競輪選手に憧れていた子供の頃は、ルールや選手の順位など分かりやすかったのかもしれませんね。今はルールも含めシステム自体が複雑になっているので、そういう意味では新しいお客さんに対して分かり難いのかもしれないです。
その点を競輪ステーションさんの力でなんとかしていただければいいかなと思いますね。



選手としてのあり方





──まずはお互いの印象やイメージについて教えてください。

武田選手:顔つきを見て、今まで苦労して自分を築きあげてきた人だという印象を持ちました。村上さんは雲の上のトップスターでした。他の選手とは輝いているものが違いました。







──では村上さんはどういう印象でしたか?

村上選手:本当の意味での競技者でありアスリートですね。控室で見ていても常にストレッチを欠かさず、レースはもちろん、普段から一切妥協がなく、ストイックさが分かります。そういうところを見てすごいと思うし、学んでいきたいと思っています。







──グランプリに懸ける想いについて

武田選手:そうですね。選手になった以上はグランプリは目指していないというのはおかしいですけど、僕はGⅠのタイトルを獲るのが目標なので、グランプリにすごく強烈な想いはほとんどないですね。僕の考え方では、グランプリで勝った人間が日本一の選手だとは思いますけど、本当に1番強いのかと聞かれたらそうではないですし。競輪選手になった以上は、ダービーを獲った選手が日本一の選手だと思うし、だからグランプリに出られた時は、「あぁ今年も出られたかな。」といった感じに捉えています。



──村上さんは5年間というのが、すごく長い期間だったように思えたのですが、その辺はどうでしたか?

村上選手:そうですね。2002年のグランプリの時は、立川に入ってからインフルエンザにかかってしまったことがあって、2003年、2004年と落車もあり、ベストコンディションで挑めたことがありませんでした。
それからそのまま怪我をして5年間、着よりも、ただ、もう一度グランプリに出てベストコンディションで走って、納得できる結果がほしいという気持ちは強くありました。それは年間通してどれだけ活躍するかにかかっているので、5年間はとにかく目の前のことをしっかりこなしていく上で、結果グランプリの舞台にまた立つことができたらいいなと思っていました。



──先行には強いこだわりを持っていらっしゃるのですか?

武田選手:どうなんでしょうね。先行でもやはり勝てないと意味がないですし。こだわりとまではいかないですけど、いつでも先行の流れになったら先行できるようにというのは心掛けています。でも、すごく先行にこだわっているということは特にないですね。少しづつ変化を、進化を、身体が求めているのではないかなと思います。



──若い先行選手がどんどん同じ番組に組まれるようになれば、自然と番手をまわる機会が多くなるかなというような、そういう感じでしょうか?

武田選手:残念ながら僕の地区にはあまりそういう選手はいないですね。先行のこだわりは、自分が育てていかないといけないのかなというところに今きてるんじゃないかなと思ってます。



──村上さんは先行選手としてこだわりはありますか?

村上選手:そうですね、まぁ正直先行力は年々落ちていってますけど、自分の走り方にとって必要なことはやっぱり変わらないです。レースを組み立てるにあたって先行をするべき時には、きっちりするっていう。こだわりではないですけど、そのタイミングが来ればいつでも先行するっていう気持ちはいつも持っていたいって思っていますね。



──最近は同地区でかなり活躍されている方が増えてきたので、番組によってはかなり後ろをまわられるってことも経験されたと思うのですが、どう感じますか?

村上選手:そうですね。本当に近畿は若い選手が・・・良い先行選手に育ってきているので、まぁそういう選手がいれば、しっかりその後ろをまわって自分たちが先輩に育ててきてもらったように、自分も一緒に競輪選手として成長していければいいのかなぁって思いますね。



──私から見るとお二人とも番手の仕事っていうんですかね、番手をまわった時はしっかりできる人なんじゃないかなと思うのですが、どうでしょうか?

武田選手:いやいや! 僕はできないですよ。
村上選手:いやー。あれじゃないですか? 誰かの後ろをつくと車券的なところって言っても、すごい確実に勝つことを求められると、もっと競輪らしく走りたい自分と、勝つためだけに走らないけない自分がいると思うんで、そういうところはいつも葛藤しながらレースをしていますね。



──先行っていうイメージで売れてしまうと、まわり方、人の後ろを走る時っていうのはすごく気を遣うのではないかと思っているのですが、でも武田さんは横も強いなって感じる時が・・・

武田選手:いやいや強くないです。本当に素人ですし、勉強するところが本当に沢山あるっていう感じですね。
村上選手:全然そんなことないじゃないですか。
武田選手:いえいえ。
村上選手:パワーで吹っ飛ばしていきますからね(笑)
武田選手:でも本当にすごくそこは難しいところだと思いますね。地区によって先行力がある後輩がいるところもありますし、ないところもありますし、いいところがあったからといって勝てるわけじゃないですから。



──同じ地区で色んな人間関係やしがらみなど色々あると思うのですが、他地区で、この選手の後ろだったらまわってみたいなと思われるような先行選手はいますか? 若手でもいいです。

村上選手:僕はいないですね。
武田選手:自分はその誰かの後ろにつきたいというのはないですね。この人と走ってみたいっていうのはありますけど・・・なんて言うんですかね。やっぱり勝つか負けるかだと思うんですけど、負けることは嫌ですが、自分より強い相手と走ってみたいっていう方が先にありますね。誰か強い選手の後ろにまわりたいっていうのは、そこでもう自分が終わってしまうと思うし。



──もしですね、競輪で日本っていう括りでラインを組まなければいけなくなった時、武田、村上という2人が同じレースになったら、どちらが前をまわると思いますか? 同じ番組で、あとはまぁアメリカチームとかヨーロッパチームとかと一緒に。

武田選手:僕的な意見ですけど、僕はまだ競輪して10年の選手ですから、それはこの世界入ってきて長い選手の前で頑張りたいっていう気持も強くありますね。
村上選手:いやぁ複雑な問題ですよ。仮にですけど、例えば本当に国対国の勝負になったとしたら、その時のお互いのコンディションなり他のメンバー構成も見ながら、1番ベストな並びを選ばなあかんやろうし、もし前を任せてもらうなら精一杯頑張りますし、その時に武田さんの後ろをまわった方がいいなら、後ろで精一杯頑張ります。本当にそれはねぇ、難しいですよ。



──先行選手としての武田さんと村上さんに質問で、番手にいてくれて1番安心な選手、番手をまわってほしいなっていう選手はいますか。連携してなくてもこの人だったらすごく頼りになるなっていうイメージで結構です。他地区でも同じ地区でも構わないです。

村上選手:僕は結構いますね。その人のレースっぷりなんかを見てて、マーク選手として芯のある選手やと、後ろについてもらっても安心しますし、それが1人にはちょっと絞りにくいですけどね。
武田選手:僕は小倉選手ですかね。走る機会はないですけど、同地区にいたらすごく頼れるんだろうなぁっていうマーク選手ですね。



──村上さんは小倉選手と連携されたことありますか?

村上選手:あります。彼もすごいマーク選手として素晴らしい選手やと思うし、本当に安心できますね。敵にすると恐ろしいですし。そういう選手はやっぱり後ろについてくれても、きっちり自分の仕事はこなしてくれますから。そういう時は自分のできるレースの幅も広がると思いますし。



──あと何人かでてきませんか?

村上選手:まぁ山口幸二さんは相性いいですね。
武田選手:僕は神山さんと連携がデビューしてすごいあるんですよね、連携数が。最初は走りづらかったんですけど、今は自然と連携するとまぁ心地いい感情はありますよね。
村上選手:鉄壁ですもんね。
武田選手:まぁなんかこう後ろをついてもらっても嫌だっていう言い方は失礼ですけど、走っていても気になる時はある選手ですけど、自然と心地よく走れる選手はやっぱり神山さんとか。
村上選手:・・・しまった。ここは弟って言うべきところでしたね(笑)
武田選手:ははははははは。
村上選手:弟は緊張するから嫌ですね。何か変にこうのしかかってきて(笑)
武田選手:それはすごい緊張すると思いますね。
村上選手:先行選手、マーク選手だけじゃないじゃないですか。色んな事のしかかってきて弟と連携するのは、あまりこう・・・嫌です。



──これは答えにくいかもしれないですけど、地元であまり連携したくない選手はいらっしゃいますか? 邪魔だなとか、何か差されたらやたらむかつくとか。

武田選手:いやぁ、僕はそういうのはないですね。自分の走りをどうするかだからあまり関係ないんじゃないですかね。別にその人が勝手に選んだことですし、自分からお願いしたことではないですから。
村上選手:いやぁそういうのはないですけど、その自分のレースのタイミングが狂うような、さぁ仕掛けようかなって思う時に後ろが競り合ったりするとちょっとさしこんできたりってあるじゃないですか。そういう時は気になってタイミングがずれたりするので、そういう走り方をする選手はあまり良くはないじゃないですか?



──まぁ今はたぶんお二人ともすごく色んな経験と今までの実績でかなり状態のいい期間が続いているんじゃないかなと、私思っているのですが、現役選手としていつ頃まで、何歳ぐらいまで続けたいなど、目標があったら聞かせていただけますか?

武田選手:どうでしょう。何歳になったら辞めるという感じには考えてないです。先行ができなくなったら辞めるとも思っていないですし、やっぱり競輪の世界に入ってきましたから、追い込み選手としても走りたいと思うし。まぁ走れる限り走りたいですね、自分は。
村上選手:僕もそうですね。本当に最後の最後までやりたいですね。競輪は本当に大好きですし、子供の時に競輪選手という夢を持ってこの世界に入って、それを全うしたいっていう気持ちは本当に強いです。でもそれがまわりに悪影響を与えるなら、その時は考えなあかんやろうし。



競輪に対する姿勢




──競輪選手をしていて今までで一番嬉しかったことは何ですか?

武田選手:僕はスピードスケートから入ってきたので、とにかくお金がなかったんですね。スピードスケートをやっていた頃は、家賃をどう払おうかなぁとか考えてましたね。遠征費も、道具を買うお金もなかったですし、オリンピックに出た時もお金がなかったです。世界で勝つためにはお金が必要でしけど、アマチュアスポーツですからレースといっても賞金は出ないです。競輪選手になるとレース出場がありますから、収入が得れるのでその分居心地はいいですよね。今までの事を考えるとそういう嬉しさはすごくありますね。生活できる嬉しさというのが。



──じゃあ日々レースをしてっていうところですね。ダービー獲った時とか比べられないですか?

武田選手:そういう嬉しさっていうのは僕はないですね。基本1着を取ったら嬉しいですけど、何かのタイトルを獲ったから競輪選手になって良かったなっていうのはないです。毎年、競輪界のトップ選手の仲間入りをずっとしてたいなって思うし、それが達成できたら嬉しいくらいです。



──村上さんはどうでしょう?

村上選手:そうですね、印象に残るレースは沢山ありますけど、この世界でこの位置で走れることと、子供の頃は決して裕福な家ではなかったですから、今きちんとした生活を送れるというのはこの職業のおかげやと思いますし、この職業に就けたことが一番良かったんじゃないかなと。



──弟さんと連携して、弟さんが勝ったときとか。

村上選手:それは印象に残るレースやと思いますね。自分が優勝した時もそうですし、弟が優勝したレースもそうですし、心の師匠の松本整さんが優勝した時もそうですし、印象に残るレースではありますけど、この競輪選手でいることが嬉しいですね。



──かっこいいですね、やっぱり。

村上選手:武田選手:(笑)




──尊敬してる人についてお聞きしてもよろしいですか?

武田選手:一生懸命競輪に打ち込んでる人はみんな尊敬しますよね。年上の先輩でも自分の地位を守ってる選手とか。この世界にいるんで、この世界の頑張っている人みんな尊敬の目で見ますよね。


──それはやっぱり村上さんも尊敬する?

武田選手:もちろん。頑張ってる選手を見ると。




──村上さんはどなたかいらっしゃいますか?

村上選手:自分のデビュー当時、競輪人生に大きな影響を与えてくれたのは元選手の松本整さん。その方がいなければ今の自分はなかったやろうし、プロとはどうあるべきか、競輪選手とはどうあるべきかっていうすべてを教えてくれた先輩なんで、松本さんのことは本当に尊敬しています。


──かなり時間が経っているんですが、松本さんの引退時にいろいろな経緯がありましたが、当時村上さんが思っていたことを、今だから話せるというお話はありませんか?

村上選手:自分が最高の走りをして松本さんの上にいくことが最大の恩返しだと思ってたけど、結局最後のレースも松本さんに抜かれて、松本さんが優勝して、最後の最後まで越えることができなかったのは、心残りではありますね。



──松本さんって引退された後、後悔はしなかったんですか? かなり意地で引退されたなってイメージが。

村上選手:いや、それはどうですかね。そういうタイプの人ではないと思うんですね。すべてにおいて納得して引退もされたし、その後もしっかり本当に尊敬できる生き方をしてはりますし。そういう後悔はなかったんじゃないですかね。僕は松本さんが選んだ道が一番良かったと思ってますよ。



──ちょっと変わった質問してよろしいですかね?
今までで沢山の競輪ファン、まぁ競輪ファンといってもガラの悪い人達も沢山いるんですけど、一番頭にきた野次ってどんなのか覚えてますか?


武田選手:野次ってあまり覚えてないですね。どうなんでしょうねぇ。
村上選手:僕はめちゃめちゃ覚えてますけど、言えないです。



──言えないですか(笑)
では他の選手の野次で思わず笑ってしまったようなことはありますか? 緊張感のあるレース前にだとか。


村上選手:それは記憶にないですね。
武田選手:そういうのはまったく気にならない方ですね。自分のレースをどう走るかって精神統一をしてて、みんな多分何も聞こえてないと思いますよ。聞こえてても別に何も気にならないんじゃないですか?例え言われたとしてもそんなに気にならないんじゃないですか。それが仕事ですし。



──前に武田さんがおっしゃっていた宇都宮のファンは比較的温かいというか。

武田選手:そういうのはありますよね、温かい競輪場。



──一番温かくないというか激しいのはどちらの方なんですか? 地方でいうと。

武田選手:向日町とか(笑)。すごいですね。関西の方へ行くと多いような気はしますね。
村上選手:なかなかそれは言いにくいですよね、これからも関西走るしね(笑)
武田選手:(笑)別に言われてもしょうがないわけですからね、自分が悪くて言われてるんですから。
村上選手:どこ行っても厳しいとこでも、いいレースいい結果を生めればその分よく言ってくれるやろうし。まぁそれは言いにくいですねぇ。
武田選手:でも野次っていうのは勝っても言われますしね。



──自分が外れたら言いたくなるファンもいますからね。

武田選手:その辺ファンの方と選手としては付き合いきれないという部分はありますよね。
そこは、与えられたレースを自分なりに全力で頑張るだけですから、その結果を野次られるっていうのはしょうがないことですし。
村上選手:9人ともねぇ力を出し切って勝つことを目標にしてますから。結果は、1着取る確率は9分の1ですからね。



──では、これから自転車競技についてチャレンジしていきたいことはありますか?

村上選手:そうですね、それで世界を目指すとかいうところではないかもしれないですね、ただその自分がしてきた経験などを、後輩たちに伝えることはできるかもしれんなと思う時はあります。それで去年選考会にチャレンジしましたけど、あえなく落選しました(笑)
実際今から競輪と自転車競技を両立してできるかといえば、体力的にもキャパがないと思いますね。



──競技の練習っていうのと競輪の練習っていうのは根本的に違いますか?

武田選手:自分の考えですか? 僕は一緒だとは思いますね。



──武田さんが自転車競技は絶対やらないっておっしゃられた理由というのは?

武田選手:自分はスピードスケートの選手からこの世界に入ってきて、世界やオリンピックを目指す体制っていうのはその時に学んだので、自転車競技の世界の目指し方と差があるっていうのをその時感じたし、だったら自分はこの世界で競輪選手としてとりあえず1位を目指す。そこの気持ちにブレはないですね。



──先ほど競輪選手として、他の選手でこいつはすごいな! って尊敬できる選手について話をしましたが、なぜそう思われるのでしょうか? 普段の生活を見ている訳ではないじゃないですか? というのもレース開催の時にみんなが練習して、それぞれが集まって、あまり会話もないとお伺いしていますが、それでもなぜこの人はすごいなって思えるのでしょうか?

武田選手:人って行動に出るからじゃですかね。その行動が目に入って・・・はい。
村上選手:レースに出ますよね。競輪はすごい出ますよね。
武田選手:その人の本当の生き様…というのは格好良すぎる言い方かもしれませんけど。走りに生き方は出ますよね。ハングリー精神というのが。
村上選手:ただ見ているだけでこっちが締め付けられるような時があります。それが何かって言われると分からないですけど、その選手に意識が向いていろいろな思いが交錯する時があります。俺はこのままでいいのか? とか。そうやって思わせてくれる選手は尊敬できるし、例え成績や結果が良くても、これならって思う時もあるし。



──その尊敬できる、そう感じた選手って具体的に名前出してもらっても?

村上選手:名前は、ふせましょう(笑)
武田選手:でも本当に尊敬する選手っていうのはいっぱい出てきますよね。レース見て、うわっなんだよこのレースはって衝撃を受ける時、自分だったらどうするって、同じ事は絶対できないなっていう瞬間とかあるし。



──どういう場面で感じるんですか? 素人目で見てると、競輪選手はみんな命懸けてやっているようにしか見えないんですよね。でもお二人の意見は違いますよね?

村上選手:お客さんの評価と一緒じゃないですか? 例えばそれが、お客さんに評価されている選手と、僕らも同じ目線で見てると思うんですよね、勝手に。だからお客さんが感動するレースは僕らも感動するし、お客さんが首をかしげるレースは僕らも一緒やし。



──なるほど。
勝てそうなチャンスが巡ってきて、よく競輪選手は足が三角に回るっていう風に言うんですけど、その場面で力が発揮できない選手と、そうじゃない部分で感動に値するっていうところをお聞かせください。


村上選手:逆に言えば勝手にこの人はすごいなって頭の中に入ってくるものだと思うんですよね。どのレースがすごかったっていうのは・・・走ってて強かったって感じることはありますよ。・・・レースに出ますよねぇ。
武田選手:競輪って本当レースに出ますよ。よく見てると。
村上選手:だから普段偉そうにしていても、出たなって思う時があります(笑)
武田選手:あ~って。がっかりする瞬間もあるし。
村上選手:僕なんか特に後ろつくこともすごい増えてきたんですけど、後ろついてて伝わってくる選手もいれば、背中から伝わってくる選手もいれば、そうでない選手もいるし。それは強い弱いとか点数とか、色んな仕掛けとかそういうものは関係なくて、なんかこう出てるオーラみたいなのが違うんじゃないですかね。



今後の競輪に対する気持ち




──レース中にカンカンカンってジャンが鳴りますよね? あの音はやはり鳴るとゾクってくるものなんですかね?

武田選手:あれ自分は聞こえないんですよ。耳に入ってくる音ってないような気がしますね。不思議ですよね。まったく聞こえないですよ。
村上選手:感覚の中で走っている感じなので、聞こえてるんでしょうけど聞いてはいないですね。だんだん周回中に周回番確認してあと3周あと2周で、自分がより集中力が高まっていってという。残り1周半で聞こえてるようではあかんと思う時もあります。



──見てる方はジャンが鳴ると興奮しますね。

武田選手:その為にあのジャンは鳴ってるんですよね?



──そうですよね。特に最初の頃ってレースを見ていても分かりづらいですよね。ゴール線を過ぎても誰が勝ったかって、初めて競輪場で見た時は分からなかったです。早過ぎて。で、後からモニターで確認していたっていう感じでしたね。

村上選手:感覚で走ると、このあいだの日韓のレースみたいに展開があまりにも早いと、自分が今どこ走っているのか分からなくなる時があります。



──でもあれは完全優勝されましたよね?

村上選手:でもレースの中では残り2周で周回板を確認したみたいなって感じでしたね、3周前にレースが始まっていたので。あまりにもピッチが上がると。
武田選手:たまにそういうレースってありますよね。そういうレースになればなるほどやっぱり苦しいですから。



──今までのレースの中で会心のレースを一つあげるとしたらどのレースでしょう?

武田選手:それはさっきの競輪選手は何が嬉しい? っていう質問と一緒で、会心のレースっていうのはないんですよね、はい。多分どんな戦い方で勝っても満足っていうのはなかなかできないんですよね。人が走ってて人のことを称えたりとかは言えるんですけど、自分自身に対してこのレースは会心ですっていうのは思わないですよね。
村上選手:辞めてから振り返って思うんでしょうね。
武田選手:自分のVTRが少し流れたらすごいね、強かったんだなっていうのはあります。周りが評価してくれることですから。自分は評価する方じゃないと思うんですよね。



──客観的にはまだ見れないというところですかね。

村上選手:どこか反省があったりするんやろうし。
武田選手:勝ったとしても次の勝負はこんな甘くないってたぶん思うだろうし。
村上選手:次に頭がいったりとかっていうのがあるからそれを噛み締めている時間もないし。
武田選手:勝った瞬間に次の事を考えるんでしょうね。絶対次はこんなに楽に勝つことはできないから厳しい戦いがまたあるという。



──やっぱり覚えてるものですか、この選手と戦った時にこういうパターンで勝ったけど、負けた時はこういうパターンで負けて次はそこを克服するために作戦を立てるとか。

武田選手:いや、ないよね。
村上選手:ないですね。
武田選手:その時に何をするかわからないです、レースは生きてるんで。



──若手選手の中で今年来年あたりに必ず出てくるよっていうような一押しの選手を聞かせていただきたいのですが、村上さん誰かいらっしゃいますか?

村上選手:くるかどうか分からないですけど、きてほしいなって思うのは同じ京都の藤木とかはきてほしいですよね。
彼はさっき言ってた後ろついててオーラのある選手で、そういう選手はそれが実を結んでほしいっていうところはありますね。
今僕の弟の博幸と一緒に練習してて、その練習や競輪に対しても研究熱心だし、そういう熱心さとレースに打ち込む気迫が、結果に繋がってほしいなと思います。



──武田さんはどうでしょう?

武田選手:若手で、これからくるっていう選手ですか? どうなんでしょうね。
1シーズンだけ強くてもしょうがないと思うので。ずっと平均して強い選手が強いと思うので、そこはあまり言えないですかね。
村上選手:あの人はどうなんですか? 101回期生の小原君、すごいんでしょ?
武田選手:すごい強いんですけどね、でもやっぱり選手としてはまだ弱い、弱いところをどう育て上げるかっていうのを考えてますよね。競輪選手として厳しくいった方がいいのか、それとも優しくいった方がいいのか、そういう迷いは普段からすごくありますね。
村上選手:厳しくですよ。
一同:(笑)



──滝澤校長が深谷を上回るかもしれない逸材だとスピードチャンネルでおっしゃっていましたね。

武田選手:あー、そういう評価。
村上選手:すごいですよねぇ!
武田選手:そこは僕も見ていなかったんですが、でも今、誰も競輪のトップクラスで走ってる選手誰も強いとなんて思ってないと思うんです。どれくらい競輪を走れるかだと思うので。強いっていう選手は大勢いますよね。
村上選手:僕ら京都にいて噂がすごいです。小原君って。
武田選手:うん。



──今若い選手も大勢いますが、そういう人達に向けて強くなるためには何が一番大事なのか教えていただけますか?

武田選手:言ったら自分たち抜かれちゃうじゃないですか。
一同:(笑)



──それはやはり自分で感じて見い出すものなのでしょうか?

武田選手:その通りだと思います。どうでしょう?
村上選手:そうですねぇ。
武田選手:強くなる方法って多分、自分が一番よく知ってると思うんですよね。
村上選手:そこに目を向けるか背けるかですよね。ちゃんと向き合えるのか。それこそ失礼な話になりますけど、武田さんのデビューは29歳?
武田選手:デビューは30歳。
村上選手:当時の常識で言えばものすごいハンディーキャップだと思うんですよ。でもそれに向き合ったっていう現実が今の武田さんを形成していて、それが20歳でデビューした選手や、才能ある選手が同じようにできればすごいことになるとは思います。



──やはり努力が一番大事なんですね? 天性のものというのはあまり関係ないですか?

武田選手:関係ないと思いますよ。天性があってもやっぱり強くなれないと思うんですよね。競輪ってそんな感じがするんですよね。



──私は武田さんのデビュー当時から、村上さんはたぶんGⅠとかに上がってきた頃から拝見させていただいてるのですが、失礼な言い方かもしれませんけど、ファンの目線から言えばもっと上手にやれば、もっと早く、もっと沢山のタイトルが穫れるのにといったようなのがありますが、ファンの目というのは間違っているように感じますか?

武田選手:そこは本当に生き様じゃないですか。ファンから見られる自分よりも、選手間から見られる自分というのが一番大切だと思うし、そこにはある程度の力強い芯を持って、自分の戦法を磨かないと生き残れないと思いますね。だから簡単に勝てるレースでも、そこは勝たない方を選ぶのが真の競輪選手だと考えてます。それをずっと貫くことはできないですけど、年を重ねるにつれてだんだん欲も出てくると思うし。人間ですから。



──今でも若手選手はケンカを売ると言ったら変ですけど、わざと戦いを挑んだりはしないような選手だと思ってますが、村上さんはどうでしょうか? 京王閣のグランプリで伏見選手とやりあったのが、この舞台でこれをやっちゃうのかと印象に強く残っています。

村上選手:なんて言うんですかね、当時それが自分だと思ってましたし、それ以外はありえなかったので、まぁ当時の自分のポリシーにのっとって走っただけやと思います。それをしなかったら優勝だったとか、それをしたからあかんかったというのは結果論であって、特にこれまで自分がやるべきことはしっかりきっちりやってきたのかな、と思いますね。
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43:名無し さん 投稿日:2023/11/17(金) 12:12

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