競輪初心者講座 (12)

レースの流れ

競輪のレースは終盤こそトップスピードに乗った選手が順位を争い、激しい展開となりますが、スタートから暫くは緩やかな流れでレースが進んで行きます。

なんでもっと早くから逃げたりしないんだろう?
と疑問に思われるかもしれませんが、実は先頭誘導員と呼ばれる選手が先頭にいて、レースの後半まではこの選手を追い抜いてはいけないことになっています。

その先頭誘導員は、レースが一定のスピードで保たれるようにペースメーカーとして選手をけん引する役目があり、審判室からの指示を受けてレーススピードの調整を行います。

また、一番前にいる選手(誘導員のすぐ後ろ)に対して不利にならないように風避けとなる役割も担っています。

もちろん先頭誘導員はレースに関係は無いので、最後まで走ることはなく、レース展開によって審判員の指示の下、退避して行きます。

レースは、33バンクで6周回、400バンクで5周回、500バンクで4周回で約2,000mの距離でレースを行いますが、(ミッドナイト競輪はマイナス1周回)400バンクの競輪場が最も多いので、こちらを例に一般的なレース展開を紹介します。

レース展開

スタート

発走機に自転車をセットし発走準備を整える。
選手によっては身体を叩いて気合いを入れたりパフォーマンスルーティーンを行う。
選手の準備が整うと号砲が鳴りいよいよスタート!

周回中

先頭誘導員のペースで周回を重ねる。
各地区等でラインを組み、それぞれのラインの思惑が交錯して位置取りが始まる。

打鐘(ジャン)

残り1周半になると打鐘が鳴らされこの辺りで先頭誘導員は退避する。
ペースメーカーがいなくなることでレースのペースが速くなり白熱したレース展開が繰り広げられる。

最終バック(残り半周)

レースの一番の見所!
逃げた選手は粘れるのか…
後方に置かれた選手は捲っていけるのか…
最後の直線に向けて熾烈なポジション争いが行われる。
レース最大の山場!!

直線

最終4コーナーを回ると、各選手はゴール線目指して目一杯にペダルを踏み込む。
直線でのスピードはトップ選手で70km/hを超え、最後の力を振り絞り激しい順位争いが行われる。

ゴール

決勝線に前輪が掛かった順に着位が決定する。
1着になった選手はファンから賞賛の声を浴び、不甲斐なかった選手には、野次と怒号が浴びせられることもある。

接戦ともなると着位の差はわずか1cm前後の場合もあり、写真判定で決着することもしばしば。

競輪はスポーツでありながらギャンブルでもあるために、レースが破綻しないようにこのようなルールの下で行われています。

しかし、その中でも選手同士の駆け引きやラインごとの闘いが観客を魅了するのです。

実際に競輪場でレースを観戦してみると、その迫力に息を飲むことでしょう。

最初はよくわからなかったレースもラインやレースの流れを知ればだんだん競輪の面白さに気がついていくことが出来る筈です。

もちろん競輪をスポーツとして楽しむのも良いですが、せっかくなのでレースを予想する楽しみも覚えていただければ更に競輪を楽しんでいただくことが出来るようになるでしょう。


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